「外壁塗装したのに雨漏りしている」
「これから外壁塗装を検討しているけど雨漏り対策にもなるの?」
そんな疑問や不安を抱えている方に向けて、この記事では外壁塗装と雨漏りの本当の関係をわかりやすく解説します。
本記事では、外壁塗装で雨漏りが直るケースとそうでない場合、外壁塗装後に雨漏りした際の正しい対処法、業者選びのポイントまで、後悔しないために知っておくべき情報をまとめました。
これから外壁塗装を検討中の方だけでなく、外壁塗装をしたのに雨漏りが直っていない方にも参考となる内容ですのでぜひ最後までご覧ください。
外壁塗装で雨漏りは本当に直る?
外壁塗装で雨漏りが直ると考えている方は多いですが、実際にはケースバイケースです。
塗装はあくまで外壁材の保護や美観の維持が目的であり、雨漏りの根本的な修理ではありません。
雨漏りの原因を正しく把握せずに塗装だけを行うと、かえって問題を長引かせてしまうこともあります。
外壁塗装の目的は美観回復や外壁の保護
外壁塗装の目的は、建物の外観を美しく保つだけでなく、雨風や紫外線などから外壁材を保護する重要な役割を担っています。
特にALCやコンクリートなどの外壁材は、それ自体に防水性がなく、素地のままだと雨水が浸透し耐久性に支障をきたす可能性も考えられます。
そのため、塗装によって表面を外コーティングすることで雨や紫外線などから外壁を守り、建物自体の寿命を延ばすことができます。
外壁塗装は雨漏りの解決にはならない場合もある
塗装によって得られる防水効果は外壁表面に限られており、その他の原因による雨漏りには対応できません。
たとえばバルコニーからの雨漏りや、屋根と外壁の取り合い部が破損しているようなケースなど、塗装をしても水の侵入を止めることは難しいのが現実です。
「塗装すれば雨漏りが治る」と思い込んでしまうと、根本的な修理が遅れて被害が拡大するリスクがあるため注意が必要です。
外壁塗装で雨漏りがおさまる場合もある
外壁塗装によって、雨漏りがおさまる場合もあります。
例えば、外壁のひび割れから雨漏りしているような場合、エポキシ樹脂の注入によりひび割れの処理を行った上で外壁塗装を行うと雨漏りが改善されます。
また、コーキングの劣化により雨漏りしている場合、外壁塗装と同時にコーキングの打ち替えも行うことで雨漏りが改善するでしょう。
現状雨漏りしている状況で、外壁塗装を検討している方は専門業者による原因の究明を行った上で適切な判断を行うことが重要です。
雨漏りの修繕後の外壁塗装がベスト
雨漏りが発生している状態でそのまま塗装を行っても、原因が未解決のままでは再発のリスクが高まります。
外壁塗装は、あくまで外壁のみを保護するための工事ですので、外壁以外の雨漏りには対処できません。
まずは専門業者による調査で原因を特定し、適切な修繕を行ったうえで防水性と耐久性を高める目的で外壁塗装を施すことで、初めてトータルな建物保全が実現できます。
外壁塗装後に雨漏りした!その原因とは?
外壁塗装後に雨漏りが起きた場合、その原因は塗装工事の不備とは限らず、他の部位の劣化や施工ミスによるものが多く見られます。
以下のようなケースを参考に、該当する原因をチェックしてみましょう。
施工ミスや施工中の破損
外壁塗装後に雨漏りする原因として、施工ミスや施工中の破損が挙げられます。
例えば、足場材を固定するための壁つなぎ跡の補修忘れや、施工中の屋根材の破損など、外壁塗装を行ったことにより雨漏りが発生する可能性が考えられます。
確認方法としては、外壁塗装業者に調査を依頼したり、塗装業者とは別の雨漏り専門業者に見てもらうなどの方法がおすすめです。
屋根の老朽化
外壁塗装後に雨漏りが起きたとしても、実際には外壁以外の場所が原因である場合が多くあります。
たとえば屋根材の老朽化によるひび割れやズレ、板金のめくれ、棟の浮きなどがあると、そこから雨水が侵入してしまうのです。
外壁塗装は屋根の劣化をカバーするものではないため、屋根の状態を見落とすと塗装後に雨漏りが起きたように見えることがあります。
ベランダ・バルコニーの老朽化
ベランダやバルコニーは、防水処理や手すりが経年劣化することで雨漏りの原因になります。
特に防水層のひび割れ、手すり部分の取り合いからの浸水が見られるケースが多く見受けられます。
これらは外壁塗装の範囲外であり、専用の防水工事が必要になります。
サッシなど開口部分と外壁の隙間からの雨漏り
サッシやドアまわりの開口部は、建物の構造上、雨水の侵入リスクが高い箇所です。
経年によってシーリング材が痩せたり、硬化して隙間ができることで雨漏りの原因となります。
また、サッシ自体が歪んでおり隙間が生じて雨漏りが発生する場合もあり、この場合は外壁塗装時にシーリングの打ち替えを行っていたとしても雨漏りは改善されない可能性が高くなります。
ひび割れの補修ができていない
外壁に発生するクラック(ひび割れ)は、雨水の侵入経路となりやすいポイントです。
塗装前にひび割れの根本的な補修をせず、パテなどで表面的に平滑にして上から塗料を重ねた場合、時間とともにひび割れが再発して雨漏りする可能性があります。
特に深いひび割れは、エポキシ樹脂などを用いた補修が必要で、表面的な塗装処理だけでは不十分となります。
コーキングの打ち替えをしていない
外壁目地やサッシまわりなどのコーキングは、建物の防水性を保つうえで非常に重要な役割を果たしています。
コーキングの打ち替えをせずに外壁塗装だけ行ったり、古いコーキングを撤去せずに増し打ちした場合、早期にひび割れが再発するリスクが高くなります。
コスト削減のためにコーキングの打ち替えをしなかったり、増し打ちしたりすることで、短期間でコーキングの破断が起き、そこから雨水が浸入する可能性があるため適切な下地処理が不可欠です。
外壁塗装後の雨漏りを防ぐための方法
外壁塗装によって雨漏りが発生するリスクを最小限にするには、工事前の準備と正しい施工手順の確認が不可欠です。
以下に、トラブルを避けるための対策を紹介します。
外壁塗装前の雨漏り修繕
塗装工事の前にすでに雨漏りの兆候がある場合は、必ず事前に修繕を行うことが重要です。
外壁塗装だけで雨漏りの原因が改善されることは稀であり、むしろ塗装で表面が覆われることで、浸水の入り口が見えにくくなり、雨漏りの発見が遅れるリスクもあります。
雨染み、カビ、天井裏の湿気などのサインがある場合は、まず雨漏り修理の専門業者に調査を依頼し、必要な補修を終えてから塗装に移るのが理想です。
本格的な雨漏り調査を実施
雨漏りの原因を突き止めるには、目視だけでは限界があります。
近年では赤外線サーモグラフィや散水試験など、専門的な診断機器を使用することで、外壁内部の水の通り道や浸入箇所を可視化することが可能になっています。
特に築年数が経過している住宅や、過去に雨漏り歴がある物件では、こうした高度な調査を取り入れることで根本的な解決をすることが可能です。
屋根塗装やベランダ・バルコニーの防水も検討
雨漏りの原因は外壁だけではなく、屋根やベランダ・バルコニーなど他の部分から発生していることも多くあります。
たとえばベランダの排水不良、屋根材の浮きや破損、笠木からの浸水などです。
外壁塗装を検討する際には、これらの部位の雨漏り調査も実施し、必要に応じて防水工事や屋根塗装を同時に進めることが、長期的な安心につながるポイントです。
外壁塗装後に雨漏りした場合の対処法
外壁塗装後に雨漏りが発生した場合、慌てず冷静に対応することが重要です。
この章では、まず確認すべき契約内容と、必要に応じて取るべき具体的な行動を解説します。
外壁塗装会社との契約内容確認
まず確認したいのは、外壁塗装会社との契約内容です。
保証期間が有効かどうか、保証の範囲に「雨漏り対応」が含まれているかなどをチェックしましょう。
施工不良による雨漏りであれば、無償で補修対応してもらえるケースもあるため、契約書や保証書に記載されている内容を見直し、不明点があれば遠慮せずに業者へ問い合わせましょう。
雨漏り修理専門業者へ調査及び修繕依頼
塗装業者が対応できない、または対応が不十分な場合には、雨漏り調査の専門業者に依頼することを検討しましょう。
雨漏りの原因特定には専門的な知識と機材が必要なため、実績豊富なプロに任せるのが最も確実です。
第三者である雨漏り修理専門の業者に調査を依頼することで、外壁塗装業者の施工ミスなのか、建物の経年劣化によるものなのかを公平な立場で正確に判断してもらうことができるでしょう。
雨漏りを防ぐための業者選びと確認ポイント
業者選びは外壁塗装や雨漏り修理の成功を左右する非常に重要な工程です。
後悔しないために、事前に以下のポイントをチェックしましょう。
保証内容の確認
外壁塗装を依頼する際は、必ず保証内容を確認しましょう。
「外壁塗装の保証」と「雨漏りの保証」は異なり、塗装の仕上がりに関する保証しか含まれていないこともあります。
雨漏りに関するトラブルが起きた場合に対応してもらえるか、保証期間や範囲について契約前に細かく説明を受けておくことが大切です。
雨漏り調査の内容を確認
雨漏り調査をどのような方法で実施しているかを確認することで、その業者の信頼度を測ることができます。
単なる目視だけでなく、赤外線カメラや散水試験などの専門機器を用いた診断を行っているか、調査報告書をしっかり提出してくれるかなどをチェックしましょう。
一般的な目視調査だけでなく、専門的な調査を行うことで費用はアップしますが、雨漏りの心配がある場合には実施することをおすすめします。
雨漏り対応の経験も確認
雨漏り修繕の実績が豊富かどうかは、業者選びにおいて非常に重要なポイントです。
外壁塗装を行う業者は、雨漏り修繕なども行っている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
過去の施工事例などを確認し、雨漏りに関する実績が豊富な業者であれば、複雑な雨漏りの原因にも柔軟に対応できる可能性が高まります。
雨漏り修繕は専門業者へ依頼
外壁塗装業者の中には雨漏り修理に対応していない、あるいは簡易的な処置しか行えないところもあります。
原因が複雑な場合や、何度も再発している場合は、雨漏りに特化した専門業者に調査・修繕を依頼するのがベストです。
専門知識と専用機器を駆使して原因を的確に特定し、適切な修繕工事を行ってもらえるため、根本解決が期待できます。
よくある質問:外壁塗装と雨漏りに関する疑問解消
- 外壁塗装は本当に必要ないの?外壁塗装をしないとどうなる?
-
外壁塗装をしないまま放置すると、紫外線や雨風により外壁材が急速に劣化してしまいます。特にALCやコンクリート系の外壁材は、そのままでは防水性がないため、水分が内部に浸透しやすくなります。これによりカビの発生や断熱性の低下、最悪の場合は構造材の腐食など深刻な被害につながることもあります。建物の寿命を延ばすためにも、定期的な塗装は欠かせません。
- 雨漏りが外壁塗装をしても直らないのはどうして?
-
雨漏りの原因が外壁以外にある場合、塗装をしても根本的な解決には至りません。たとえば屋根やベランダ、防水シートの劣化、サッシまわりのシーリング不良など、雨水の侵入経路が外壁以外にあるケースは少なくありません。こうした原因を見落として塗装だけを行った場合、雨漏りは継続してしまいます。正確な原因特定と、適切な順序での修繕が必要です。
雨漏りを防ぐには「外壁塗装の前の対処」がカギ!
本記事では「外壁塗装で雨漏りは直るのか?」「塗装後に雨漏りした場合の対処法は?」といった疑問にお答えし、事前に押さえておくべきポイントや注意点を詳しく解説しました。
雨漏りを防ぎ、後悔のない外壁塗装を実現するためには、調査→修繕→塗装という正しい順序と、信頼できる業者選びがカギとなります。
まずは現在の建物の状態を正確に把握し、必要に応じて専門業者に相談しましょう。
下記の記事で、おすすめの雨漏り修理専門業者を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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