「瓦屋根の雨漏り修理はいくらかかるんだろう?」
このようなお悩みを抱えていませんか?
瓦屋根は様々な部材で構成されており、修理内容によって費用が異なります。

1級建築施工管理技士
山本 悠太
2013年に株式会社竹中工務店に入社し、9年間施工管理業務に従事。高層マンションなど大規模建築を担当。在籍中に1級建築施工管理技士取得。
2022年より大阪府吹田市のリフォーム会社 加藤装飾株式会社へ入社。住宅から病院・店舗など様々なリフォーム工事の施工管理に従事している。
本記事では、瓦屋根の雨漏り修理の費用相場や、方法別の費用比較、修理費用を抑えるコツを紹介します。さらに、信頼できる業者の選び方や修理の流れについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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瓦屋根の雨漏り修理費用の相場
瓦屋根の雨漏り修理費用は、被害の範囲や修理方法によって大きく異なります。部分的な修理から全面葺き替えまで、それぞれの費用相場を把握することで、適切な修理計画を立てることができるでしょう。また、修理方法によっても費用は変わってきますので、自宅の状況に合わせた最適な方法を選ぶことが大切です。
瓦の部分修理
瓦屋根の部分修理は、瓦のズレやひび割れなど、比較的軽度な修理です。費用相場は10,000円〜50,000円程度で、修理範囲が狭ければ安価に済みます。これにより、雨漏りの原因が解決されることが多く、早期対応が大切です。
部分修理の費用相場
部分修理は、被害が限定的な場合に選ばれる修理方法で、瓦の交換や漆喰の補修などが含まれます。一般的な相場は3万円〜15万円程度ですが、被害箇所の面積や状態によって変動します。瓦の交換のみなら1枚あたり1,000円〜2,000円、漆喰の部分補修なら1㎡あたり3,000円〜5,000円が目安となるでしょう。部分修理は全面修理に比べて費用を抑えられるため、被害が小規模な場合におすすめです。
全面修理(葺き替え)の費用相場
瓦屋根の全面修理(葺き替え)は、屋根全体を新しくする大規模な工事となります。一般的な費用相場は100万円〜300万円程度で、屋根の面積や瓦の種類、周辺の状況によって大きく変わることがあります。和瓦の場合は1㎡あたり2万円〜3万円、洋瓦なら1㎡あたり1.5万円〜2.5万円が目安です。築40年以上経過した瓦屋根や、複数箇所で雨漏りが発生している場合は、葺き替えが必要になる可能性が高くなります。
雨漏りの修理方法別費用比較
瓦屋根の雨漏り修理には様々な方法があり、それぞれ費用が異なります。部分修理に含まれる瓦の差し替えは3万円〜10万円、漆喰の塗り直しは5万円〜15万円、棟瓦の取り直しは10万円〜20万円が相場です。また、防水シートの補修・交換は20万円〜40万円程度かかることが一般的です。症状が軽い場合には応急処置として屋根塗装(15万円〜30万円)やカバー工法(60万円〜150万円)という選択肢もあります。症状や予算に合わせて最適な修理方法を選択しましょう。
瓦屋根の雨漏りが発生する原因
瓦屋根の雨漏りには様々な原因があります。適切な修理方法を選ぶためには、まず何が原因で雨漏りが起きているのかを正確に把握することが大切です。主な原因を理解することで、修理の必要性や緊急性を判断する参考になるでしょう。原因によって修理方法や費用も変わってくるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
瓦のひび割れ・ズレ
瓦のひび割れやズレは、雨漏りの最も一般的な原因の一つです。経年劣化や台風などの強風、地震による振動で瓦が動いたり破損したりすることがあります。特に屋根の端や谷部分は風の影響を受けやすく、瓦がズレやすい箇所です。ひび割れた瓦からは雨水が侵入し、下地まで浸透することで雨漏りを引き起こします。定期的な点検で早期発見できれば、部分修理で対応可能なケースが多いでしょう。
漆喰の劣化
漆喰は瓦と瓦の隙間を埋める重要な役割を持っていますが、10〜15年程度で劣化が進みます。ひび割れや欠け、剥がれが生じると、そこから雨水が侵入し雨漏りの原因となります。特に棟部分の漆喰は雨風の影響を直接受けるため、他の部分より劣化が早い傾向にあります。漆喰の状態が悪くなっていると感じたら、早めに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。劣化が軽度であれば部分的な補修で対応できるケースが多いです。
棟瓦の崩れ
棟瓦は屋根の頂上部分に設置された瓦で、屋根の構造を支える重要な役割を担っています。しかし、風雨や地震の影響を受けやすく、経年劣化によって崩れることがあります。棟瓦が崩れると、その下の漆喰や防水シートにも影響が及び、大規模な雨漏りを引き起こす恐れがあります。棟瓦の修理費用は10万円〜20万円程度ですが、放置すると全面葺き替えが必要になるケースもあるため、早めの対応が重要です。
ルーフィング(防水シート)の劣化
ルーフィングは瓦の下に敷かれる防水シートで、万が一瓦や漆喰に問題が生じても雨水の侵入を防ぐ役割があります。しかし、経年劣化により防水性能が低下したり、施工不良で隙間ができたりすると雨漏りの原因となります。ルーフィングの耐用年数は約15〜20年と言われており、古い家屋では防水シート自体の寿命が来ている可能性があります。防水シートの交換には瓦を一度撤去する必要があり、20万円〜40万円程度の費用がかかることが一般的です。
雨漏り修理の費用を安く抑える方法
瓦屋根の雨漏り修理は高額になりがちですが、いくつかの方法を知っておくことで費用を抑えることが可能です。適切なタイミングでの修理や各種制度の活用など、賢く費用を節約するコツをご紹介します。ただし、必要な修理を先延ばしにすることは逆に被害を拡大させる恐れがあるため、バランスを考えた判断が重要です。
火災保険を活用する
多くの火災保険では、台風や強風、雹などの自然災害による瓦屋根の損傷が補償対象となっています。保険を活用することで、修理費用の大部分をカバーできる可能性があります。保険適用の判断基準は保険会社によって異なりますが、一般的に突発的な事故による損傷であれば補償されることが多いです。まずは加入している保険の補償内容を確認し、条件に合致する場合は保険会社に連絡しましょう。適用には損傷状況の写真や修理見積書が必要となるケースが多いため、修理前に準備しておくことをおすすめします。
自治体の補助金を利用する
多くの自治体では、住宅リフォームや耐震改修に関する補助金制度を設けています。瓦屋根の修理も対象となる場合があり、条件を満たせば工事費用の一部を補助してもらえる可能性があります。補助金の額や条件は自治体によって異なりますが、工事費用の10〜20%程度が補助されるケースが多いでしょう。申請には事前の審査が必要なため、工事前に自治体の住宅課などに問い合わせることをおすすめします。複数の補助金を組み合わせて利用できる場合もあるため、しっかり確認しましょう。
信頼できる業者を選ぶ
信頼できる修理業者を選ぶことも、費用を適正に抑える重要なポイントです。複数の業者から見積もりを取り、内容を比較することで適正価格を把握できます。安すぎる見積もりには注意が必要ですが、高すぎる場合も同様です。地元で実績のある業者は、移動費などの経費が抑えられるため、比較的リーズナブルな価格で対応してくれることが多いでしょう。また、アフターフォローが充実している業者を選ぶことで、修理後のトラブルにも迅速に対応してもらえます。口コミやレビューを参考にしながら、信頼できる業者を見極めましょう。
早めの修理でコストを抑える
雨漏りを放置すると、被害が広がり修理費用が高額になるリスクがあります。小さな雨漏りでも、時間の経過とともに下地材や構造材にまで水が染み込み、大掛かりな修理が必要になることがあります。例えば、瓦の一部交換で済んだはずの修理が、防水シートの交換や構造材の補強まで必要になれば、費用は数倍に膨れ上がる可能性があります。雨染みやシミを見つけたら、すぐに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。早期発見・早期修理が結果的にコスト削減につながるでしょう。
瓦屋根の修理業者の選び方
適切な修理業者を選ぶことは、修理の品質だけでなく費用面でも重要です。悪徳業者に騙されないための知識や、信頼できる業者の特徴を知っておくことで、後悔のない修理を実現できます。修理業者選びは慎重に行い、複数の業者を比較検討することをおすすめします。最終的には相性や信頼関係も重要な要素となるでしょう。
悪徳業者の見極め方
残念ながら、屋根修理業界には悪徳業者も存在します。典型的な手口としては、「無料点検」を口実に軽微な損傷を大げさに伝え、不必要な工事を勧めるケースが挙げられます。また、見積書に曖昧な項目が多い、異常に安い価格を提示する、契約をせかす、現金払いのみを要求するといった特徴がある場合は注意が必要です。信頼できる業者は、丁寧な説明と詳細な見積書を提供し、複数の修理プランを提案してくれるでしょう。不安を感じたら、別の業者にも見積依頼をお願いすることをおすすめします。
無料点検を実施している業者を選ぶ
多くの優良業者は、無料で屋根の点検サービスを提供しています。これにより、修理が必要かどうか、どの程度の規模の修理が適切かを事前に確認できます。無料点検を行う業者は、自社の技術に自信があり、顧客との信頼関係を大切にしている証拠とも言えるでしょう。点検後には写真や図面を使って詳しく状況を説明してくれる業者が理想的です。また、点検だけで終わらせることもできるので、修理を急かされることなく検討する時間を確保できます。複数の業者に点検を依頼して比較するのも良い方法です。
地元の信頼できる業者のメリット
地元で長く営業している業者には多くのメリットがあります。まず、地域の気候や建築様式に精通しているため、適切な修理方法を提案してくれる可能性が高いです。また、移動距離が短いため経費が抑えられ、結果的に修理費用も抑えられることがあります。さらに、アフターフォローも充実している傾向にあり、修理後に問題が発生した場合でも迅速に対応してもらいやすいでしょう。地元の業者は地域での評判を大切にしているため、質の高い工事を提供する傾向があります。施工実績や近隣での評判を確認することで、信頼できる地元業者を見つけることができるでしょう。
瓦屋根の雨漏り修理の流れ
瓦屋根の雨漏り修理を依頼する際には、一連の流れを把握しておくことで安心して任せることができます。症状の確認から修理完了後のメンテナンスまで、各ステップでどのようなことが行われるのかを理解しておきましょう。業者との連携をスムーズに進めるためにも、修理の流れに関する基本的な知識を持っておくことをおすすめします。
1. 雨漏りの症状を確認する
雨漏りを修理する最初のステップは、症状の確認です。天井のシミや壁の染み、カビの発生などが典型的な症状ですが、これらは雨漏りの最終的な現れであり、原因は屋根にあることがほとんどです。雨の日に症状が悪化するかどうかを観察し、可能であれば雨漏りの発生箇所や頻度、量などをメモしておきましょう。この情報が業者の診断や修理プランの立案に役立ちます。また、屋根裏に入れる場合は、木材の腐れや防水シートの状態も確認すると良いでしょう。詳細な症状の記録が、より正確な診断と適切な修理につながります。
2. 業者に無料点検を依頼
症状を確認したら、次は専門業者に無料点検を依頼します。信頼できる業者は屋根に上って詳細な点検を行い、ドローンや特殊カメラを使用して屋根の状態を確認するケースもあります。点検後には、写真や図面を用いて現状の説明と必要な修理内容について詳しく説明してくれるでしょう。この段階で疑問点があれば遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めることが大切です。複数の業者に点検を依頼して比較することで、より信頼できる業者を選ぶことができます。下記の記事で、お住まいの近くにある雨漏り修理業者を紹介してくれるサービスを紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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3. 見積もりを比較し契約
複数の業者から見積もりを取得したら、内容を比較検討します。単に金額だけでなく、修理範囲や使用する材料、工事期間、保証内容なども重要な比較ポイントです。見積書の内容が不明確な点があれば質問し、追加費用が発生する可能性についても確認しておきましょう。業者選びの際には、価格だけでなく、説明の丁寧さや対応の速さなども判断材料にすると良いでしょう。納得できる業者が見つかったら契約を結びますが、契約書の内容はしっかり確認し、口頭での約束事項も書面に残しておくことをおすすめします。
4. 修理工事の実施
契約後、実際の修理工事が始まります。工事の規模や内容によって期間は異なりますが、一般的な部分修理であれば1〜3日程度、全面葺き替えなら1〜2週間程度かかることが多いです。工事中は騒音や振動が発生することがありますので、近隣への配慮も必要です。優良な業者は工事の進捗状況を随時報告し、予定通りに進んでいるかどうかを知らせてくれるでしょう。天候不良により工期が延びることもありますので、ある程度の余裕を持ったスケジュールを組んでおくことをおすすめします。工事完了後は業者と一緒に仕上がりを確認し、問題がなければ支払いを行います。
5. アフターケアとメンテナンス
修理工事完了後も定期的なメンテナンスが重要です。多くの優良業者は施工後のアフターフォローとして、無料点検や緊急時の対応などのサービスを提供しています。保証期間内に問題が発生した場合は速やかに業者に連絡し、対応を依頼しましょう。また、自分でもできる日常的なチェックとして、強風や大雨の後に室内に異常がないか確認することをおすすめします。瓦屋根は定期的なメンテナンスにより寿命を延ばすことができますので、5年に一度程度の専門業者による点検を計画的に行うと良いでしょう。長期的な視点で考えれば、定期メンテナンスの費用は大規模修理を回避するための投資と言えます。
瓦屋根の雨漏り修理は適正価格で行いましょう
瓦屋根の雨漏り修理について、費用相場から原因、修理方法、業者選びまで詳しく解説してきました。雨漏りは放置すれば住宅の構造体にまで悪影響を及ぼす危険性があるため、早期発見・早期修理が重要です。修理費用は部分修理なら数万円から、全面葺き替えなら100万円以上と幅広いですが、火災保険や補助金を活用することで負担を軽減できる場合もあります。信頼できる業者選びもポイントで、複数の見積もりを比較し、地元で実績のある業者を選ぶことをおすすめします。定期的なメンテナンスを行うことで、大規模修理のリスクを減らし、瓦屋根を長持ちさせることができるでしょう。雨漏りのサインを見逃さず、適切なタイミングで修理することが、住まいを守る最良の方法です。
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