「雨漏りの二次被害ってどんなことが起こるの?」
雨漏りの被害は、雨水が家に侵入してくるといった目に見える被害だけでなく、放置することで建物の腐食やカビの発生、健康被害にも繋がる二次被害のリスクが潜んでいます。

1級建築施工管理技士
山本 悠太
2013年に株式会社竹中工務店に入社し、9年間施工管理業務に従事。高層マンションなど大規模建築を担当。在籍中に1級建築施工管理技士取得。
2022年より大阪府吹田市のリフォーム会社 加藤装飾株式会社へ入社。住宅から病院・店舗など様々なリフォーム工事の施工管理に従事している。
本記事では、雨漏りによる二次被害の種類や、見逃しがちな雨漏りのサインなどを解説します。この記事を参考に、雨漏りの二次被害に対する正しい知識を身につけ、適切な対策を行いましょう。

雨漏りが発生したら、まずは二次被害を防ぐために応急処置を行い、次の雨までに専門業者による修理を行いましょう。
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雨漏りの被害は2種類


雨漏りの被害は大きく分けて一次被害と二次被害の2種類に分類できます。
一次被害は雨漏りによって直接的に発生する被害を指し、二次被害は一次被害を放置した結果、間接的に発生する被害を指します。
どちらも深刻な問題を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な対処が重要です。
一次被害
一次被害とは、雨水が建物内部に侵入することを指します。
一次被害がひどい場合は、雨水が天井を伝って床に落ちることですぐに発見が可能ですが、比較的被害が小さな雨漏りの場合は発見が遅れる可能性も考えられます。
早期発見を行うことで二次被害を防ぐことができるため、疑わしい症状があればすぐに確認を行いましょう。
二次被害
二次被害とは、一次被害である水が建物に侵入する被害を放置した結果、間接的に発生する被害のことです。
一次被害よりも深刻な問題を引き起こすことが多く、建物全体の強度低下や健康被害につながる可能性もあります。
早期発見のためには、定期的な点検や専門家による診断が重要となるため、少しでも異変を感じたら修理を依頼しましょう。
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雨漏りによる代表的な6つの二次被害


雨漏りを放置すると、建物の構造や美観だけでなく、健康にも深刻な影響を及ぼす様々な二次被害が発生します。また、修理費用が増加してしまう恐れもあります。
ここでは、雨漏りによる代表的な二次被害について6つ紹介します。
腐食
雨漏りで床や壁、天井が濡れたまま放置すると、強度が低下するため張り替えが必要となります。特に、天井に関しては注意が必要で、天井が脱落する危険性も考えられます。
また、柱や梁などの構造材が腐食すると、耐震性が低下するため、補強などの工事が追加で必要となります。
カビの発生
雨漏りによって発生する湿気は、カビの温床となります。
カビはアレルギーや呼吸器疾患の原因となるため、健康に深刻な影響を与える可能性があります。特に、小さなお子さんや高齢者、アレルギー体質の方は注意が必要です。
また、カビが発生した場合は、材料の強度が落ちるため張り替えが必要となります。
壁や天井にシミや壁紙のめくれなどを発見した場合は、雨漏りを疑いましょう。放置しておくとカビが発生し、修理費用が増加する恐れが足ます。
漏電
雨漏りによって電線が濡れると漏電の危険性があります。漏電は火災の原因となるだけでなく、感電の恐れもあるため、非常に危険です。
漏電が発生する原因としては、室内に侵入した雨水によりブレーカーを濡らしたり、天井や壁裏の配線が濡れたりすることが挙げられます。
漏電が発生した場合、すぐにブレーカーを落とし、電気工事店に連絡しましょう。また、早急に雨漏りの修理を行い、再び漏電が発生しないように雨水の侵入を根絶する必要があります。
シロアリの発生
雨漏りで木材が湿気を帯びると、シロアリが発生すしやすい環境となります。
シロアリは木材を食い荒らし、建物の強度を著しく低下させるため、シロアリが発生する前に必要な修繕を行う必要があります。
また、シロアリの被害は天井裏や床下など普段は確認しづらいことが多く、気づいたときには大きな被害となっているケースも少なくありません。そのため、雨漏りによる木材の腐食が確認された場合は、シロアリの発生を早期に抑えることが重要です。
健康被害
雨漏りによる二次被害は、建物の損傷だけでなく、居住者の健康にも影響を及ぼします。
具体的には、カビの発生によるアレルギー症状や呼吸器疾患、ダニの発生による皮膚炎などが挙げられます。
特に、乳幼児や高齢者、アレルギー体質の方は注意が必要ですので、健康被害を防ぐためにも、雨漏りは早期に発見し、適切な対処をすることが重要です。
資産価値の低下
雨漏りを放置すると、建物の劣化が進み、資産価値が低下します。
売却時や賃貸時に不利になる可能性があるため、売却を予定している場合は早めに修理を行い、被害の進行を防止しましょう。
また、売却前に雨漏りによる内部の損傷も修復しておきましょう。
見逃し厳禁!雨漏りが疑われる4つのサイン


雨漏りは初期段階ではなかなか発見しづらく、気づいた時には被害が広がっていることが多くあります。
腐食やカビなどは徐々に進行するため、発生する前の段階で異変に気付くことが重要なカギとなります。
ここでは、雨漏りの初期症状とも言える代表的な4つのサインを紹介します。これらのサインに気づいたら、すぐに専門業者に相談しましょう。
天井や壁のシミ
雨水が天井裏や壁の中に浸入すると、素材が変色し、シミとなって現れます。
最初は小さなシミでも、時間の経過とともに広がり、最終的には天井材や壁紙が剥がれ落ちたり、腐食やカビの原因にもなります。
そのため、天井や壁に小さなシミを発見した場合は雨漏りを疑いましょう。
可能であれば雨の日に天井裏を確認することをおすすめします。
雨音
雨漏りの初期段階では、天井裏などで雨音が聞える場合があります。
雨の日に、天井裏や壁の中で雨の雫が落ちる音が聞えたら雨漏りを疑いましょう。
少しでも異変を感じた場合、雨音がする周辺の壁や天井が湿っていないか確認することで、被害の確認をすることができます。
壁紙や天井のめくれ
壁や天井の壁紙や塗装がめくれている場合、雨漏りによる湿気が原因かもしれません。
室内の温度変化によってめくれが生じる可能性もありますが、あまりにも急にめくれが発生するようなら雨漏りを疑いましょう。
雨音の際と同様に、めくれた壁や天井周辺を触ってみて湿っているかどうかの確認が必要です。
カビの臭い
カビの臭いは、目視で確認できない雨漏りを察知する重要なサインです。
ジメジメとした独特の臭いがする場合は、壁の中や天井裏でカビが発生している可能性があります。
特に、雨が降った後や湿度が高い日に臭いが強くなる場合は、雨漏りを疑いましょう。
す。
雨漏りの二次被害が発生しないように早期発見が重要
本記事では、雨漏りによる二次被害について解説しました。
雨漏りは発生した場合は、まず応急処置を行い、二次被害が発生しないよう適切な対応が必要となります。
ここで紹介した内容を参考にしていただき、二次被害が広がらないようにしましょう。
雨漏りの疑いがある場合は、専門業者へ調査の依頼を行いましょう。
下記の記事にて、おすすめの雨漏り修理業者を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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