雨漏り修理のトラブルとは?直らない・修理失敗を防ぐ方法や相談先を紹介

雨漏り修理のトラブル

「雨漏り修理を検討してるけどトラブルを防ぎたい」
「雨漏り修理で失敗したけどどうすれば解決できるか知りたい」

雨漏り修理は難易度が高く、正しい手順を踏まなければトラブルに発展しやすい工事です。

修理したのに直らない、追加費用がかかる、保証が受けられないなど、多くの問題が発生する可能性があります。

この記事を書いた人

1級建築施工管理技士
山本 悠太

2013年に株式会社竹中工務店に入社し、9年間施工管理業務に従事。高層マンションなど大規模建築を担当。在籍中に1級建築施工管理技士取得。
2022年より大阪府吹田市のリフォーム会社 加藤装飾株式会社へ入社。住宅から病院・店舗など様々なリフォーム工事の施工管理に従事している。

この記事では、失敗しないための方法や失敗した場合も解決策・相談先などをわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

目次

雨漏り修理でよくあるトラブル事例と原因・対策

雨漏りの原因は1か所とは限らず、原因特定や修繕は難易度の高い工事です。そのため、優良業者が施工した場合でも、雨漏りが直らなかったり別の場所から雨漏りしたりなど、予想外のトラブルが発生することがあります。

山本悠太

優良業者であれば、事前にリスクの説明や迅速な対処を行うため、安心して施工を依頼できます。

ここでは、実際に多く発生しているトラブル事例とその原因、さらに具体的な対策まで詳しく解説します。

事例1:雨漏りが直らない

原因対策
・原因の特定不足
・適切な調査がされていない
・別の箇所からの雨漏り
・調査内容及び調査結果の確認
・複数業者に調査依頼

雨漏りが修理後も直らない場合、その多くは原因特定の不足が原因です。

例えば、屋根の劣化を雨漏りの原因として修理を行ったとしても、実は外壁や窓枠のシーリング不良、などが原因だったということもあります。

雨漏りが直らないという場合に備えて徹底した現地調査と、赤外線カメラや散水試験などの専門的な手法を併用し、漏水経路を正確に特定することが重要です。

さらに複数の専門業者から意見を集めることで、見落としを防ぐことができます。

事例2:追加費用の請求

原因対策
・原因の特定不足
・適切な調査がされていない
・別の箇所からの雨漏り
・調査内容及び調査結果の確認
・複数業者に調査依頼

工事が始まってから「想定外の補修が必要」として追加費用を請求されるケースがあります。見積書が不明瞭だったり、事前説明が不足している場合に多いトラブルです。

優良業者であっても雨漏り修理において、当初想定していなかった追加工事が発生することは、考えられます。

例えば、工事が始まって天井をめくってみると、想定していた以上に劣化が進んでいることがあり、その場合追加で補修作業が必要になります。

このような問題を防ぐためには、契約前に見積書の内訳をしっかり確認し、不明点はすべて質問して明確にしておくことが重要です。

さらに、「追加費用が発生する場合の条件」「その金額」についても事前に取り決めておきましょう。

事例3:補助金や火災保険が適用されない

原因対策
・補助金や火災保険の条件の理解不足・補助金や火災保険について正しく理解する
・補助金や火災保険が使えるからと契約を迫る業者には注意

雨漏り修理には、場合によっては補助金や火災保険が利用できます。

しかし、手続きや条件の確認を怠ると「対象外」となってしまう可能性もあり、申請を出しからでないと審査の可否がわからないというデメリットがあります。

「補助金や火災保険が使えるから」といった理由で契約を迫り、結果的に審査が通らなかったので工事費用を全額自費で支払うことになったというトラブルもあるようです。

補助金や火災保険は、確約できないことを理解したうえで修理を行いましょう。

また、火災保険に関しては、原則審査が下りてから工事を行う必要があるため、注意が必要です。

関連記事:雨漏りで火災保険が適用される条件を解説!実際の手順や事例を紹介

事例4:別の場所から雨漏り

原因対策
・原因の調査不足
・経年劣化
調査内容及び調査結果の確認
全体修理も検討

一箇所を修理しても、別の経路から雨水が侵入している場合があります。

雨漏りは複数の箇所が原因となることが多く、部分的な修理だけでは解決しないことがあります。

たとえば、屋根を修理したあとに壁面からの漏水が発覚することもあります。

特に、経年劣化が激しい建物の場合は、調査時は1か所からしか雨漏りしていなかったけど、後日別の箇所から雨漏りするといったことも考えられるため、一概に業者の調査不足が原因とも言い切れないのが難しいところです。

対策としては、経年劣化した建物については、一時的な出費を考えて部分修理をするのではなく全体修理も視野に入れた検討を行いましょう。

事例5:保証が受けられない

原因対策
・保証内容の確認不足
・業者の説明不足
保証内容や期間の確認・明記

保証があると思って依頼したものの、実際には保証が適用されないケースも散見されます。

保証内容が曖昧だったり、口約束のみで契約してしまった場合に起こりやすいトラブルです。

たとえば、「施工不良が原因の場合のみ保証が適用される」といった条件付きの保証も存在するため、必ず契約書に保証の範囲や期間を明記してもらいましょう。

「どのような場合に保証が適用されるか」といった内容・期間を具体的に確認しておくことが、後々のトラブル防止につながります。

雨漏り修理でトラブルを防ぐための手順

雨漏り修理でトラブルを避けるためには、計画的に進めることが大切です。

以下の手順を参考に、失敗しないような雨漏り修理を実現しましょう。

手順1:複数業者に相談

1社だけに相談するのではなく、複数の業者に問い合わせることで比較検討が可能になります。

業者ごとに提案内容や費用が異なる場合があるため、より信頼性のある業者を選定することが可能です。

また、提案内容だけでなく、保証内容の説明や営業の対応など、多角的な視点で判断を行うことができます。

複数の雨漏り修理業者を探すことが難しい場合は、雨漏り修理専門サービスの利用をおすすめします。
雨漏り修理専門サービスは、全国に多くの加盟店を持っており、お住まいの近くにある最適な業者を複数紹介してもらえます。ぜひ下記の記事を参考にしてください。
おすすめ記事:雨漏り修理業者おすすめランキング5選!

手順2:見積りを比較

複数の見積りを比較することで、適正価格や必要な工事内容が見えてきます。工事項目ごとに比較を行うため、細かく金額が記載されているか確認しましょう。

具体的には、調査費用、材料費、施工費、保証内容などを細かくチェックします。見積もりに「一式」とだけ記載されている場合は詳細を必ず確認し、内訳が不明な部分をクリアにしておくことが重要です。

手順3:各社へ疑問点の確認

  • 比較した見積りに関する質問
  • 調査、修理の内容や費用
  • 保証内容
  • 保険や補助金活用の可否
  • 直らなかった場合の対応
  • 追加工事発生の可能性及び費用
  • 工事期間
  • 工事の流れ

保証内容や補助金、保険の適用可否、調査や修理の方法、直らなかった場合の対応などを事前に確認しておきます。不明点はそのままにせず、必ず解消しましょう。

たとえば、「保証期間はどれくらいか」「保証となるための条件は何か」「追加費用が発生する場合」など、細かい部分まで確認することがトラブル防止につながります。書面で残してもらうとより安心です。

手順4:業者決定

業者選びでは、見積りの比較だけでなく各社の施工実績や資格の有無、口コミなどをチェックし、信頼できる業者かどうかを見極めることが重要です。

見積りの金額や内容だけで判断するのではなく、複数の情報源から業者を評価することがポイントです。

手順5:調査の立ち合い、原因の確認

業者の決定及び契約が完了した段階で、施工前に業者による本格的な調査を行います。(見積り前の現地調査時に、雨漏りの原因が判明している場合は除きます)

目視調査は無料ですが、赤外線調査や散水調査などは費用が発生することが一般的です。見積時に確認しておきましょう。

また、業者を慎重に判断したい場合は、雨漏り調査の相見積もりを徴収し、まずが調査のみを実施。その後調査結果に基づいて実際の修理の見積を再度相見積もりするといった方法もあります。

調査の方法としては、目視調査だけでなく赤外線調査や散水試験などが一般的です。

調査内容及び実際の調査をご自身でも確認し、雨漏りの原因を理解することで納得した上で修理を進めることができます

手順6:修理後の確認検査の立ち合い

雨漏りの修理後の検査にも必ず立ち会い、雨漏りが再発することが無いか確認しましょう。

修理後は、散水調査を行い雨漏りが止まっているか確認することが一般的です。

また、雨漏りを修理した後に内装の修繕を行いますが、雨のタイミングまで内装修繕を行わず、雨による再発が無いか確認した上で内装の修繕を行うと安心です。

手順7:雨漏り修理後に内装の修繕

雨漏りが解消した後は、内装の修繕を行います。

雨水により汚れたり腐食した内装を修繕することで、住環境を快適に保つことができます。

たとえば、クロスの張り替えや断熱材の交換、天井の塗り直しなど、雨漏りが止まったことを確認したうえで修繕を行ってもらいましょう。

雨漏り修理で直らない・修理失敗のトラブルが多い理由

 雨漏り修理で失敗が多いのは、原因の特定が難しいことや、複数箇所からの侵入がある場合が多いためです。

さらに、建物の構造が複雑な場合は原因が見つけにくく、適切な対応が遅れることもあります。ここでは、雨漏り修理で直らない・修理失敗のトラブルが多い具体的な理由を3つに分けて解説します。

理由1:原因特定が難しい

雨漏りの原因は目に見えない場所に潜んでいることが多く、目視調査だけでは判断できない場合があります。

屋根材の損傷だけでなく、経年劣化による小さな隙間など、専門的な知識と調査が必要です。

複雑な経路で雨が室内へ侵入している場合は、特定が難しく想定される原因箇所を修理しても雨漏りが止まらないというリスクもあります。

そのため、原因特定の調査内容は必ず確認し、業者に任せきりにすることはないようにしましょう。

理由2:原因が1か所とは限らない

雨漏りは複数の箇所が原因となることが珍しくありません。たとえ一部を修理しても、他の箇所から漏水が続けば、問題は解決しないでしょう。

実際に、屋根と外壁、さらには窓まわりなど、複数の場所から水が侵入しているケースもあるため、包括的な調査と、全体を見渡した修理計画が必要です。

 理由3:侵入経路が複雑

建物の構造が複雑であればあるほど、雨水の侵入経路は入り組んでおり、特に増改築を繰り返した建物では、水の通り道が予測しづらいものです。

たとえば、屋根裏から壁内、そして室内へと漏水している場合もあります。専門家の視点で構造を把握し、細部まで調査することで、適切な対処が可能になります。

雨漏り修理のトラブル相談先

 万が一、雨漏りに関するトラブルが発生した場合は、早めの相談が解決への近道です。

相談先は、状況により異なるため、下記を参考にしてください。

トラブル内容相談先
築10年以内の雨漏り(初めて)ご自宅の施工会社
築10年以上の雨漏り(初めて)雨漏り修理業者
雨漏り修理後の再発修理業者
不当な追加費用の請求住まいるダイヤル(03-3556-5174)

一般的なトラブルは、消費者センターへ相談することもありますが、お住まいのトラブルに関しては住まいるダイヤルがおすすめです。

住まいるダイヤルは、国土交通省から指定を受けた住宅専門の相談窓口で、契約トラブルや追加費用の問題だけでなくお家のお困りごとの相談にも対応してくれます。

雨漏りのトラブルに関するよくある質問

ここでは、雨漏りに関するよくある疑問を取り上げ、解説します。

賃貸マンションの雨漏りは誰の責任?

基本的に、賃貸物件の建物管理責任は貸主にあります。入居者は速やかに管理会社や大家へ連絡し、対応を求めましょう。対応が遅れると被害が拡大する恐れがあるため、迅速な連絡が大切です。

雨漏りの原因を調査する方法は?

散水試験や赤外線カメラを用いた調査が有効です。専門業者が実施するこれらの検査により、目視では発見できない原因箇所も特定できます。調査結果をもとに適切な修理を計画しましょう。

雨漏りのトラブルを完全解決するためにはどうすればよい?

まずは原因を正確に特定することが最優先です。次に、信頼できる業者を選定し、包括的な修理計画を立てましょう。施工後の確認検査も怠らず、必要に応じて内装の修繕も行うことで、長期的な安心が得られます。

  雨漏り修理はトラブルが多いため注意しましょう

雨漏り修理は、他の住宅修理に比べてもトラブルが起きやすい工事の一つです。

しかし、事前の準備を徹底し、信頼できる業者と連携することで、こうしたリスクは大幅に軽減できます。

複数業者へ見積りや調査の依頼をし、包括的に判断して信頼できる業者を探しましょう。

複数の雨漏り修理業者を探すことが難しい場合は、雨漏り修理専門サービスの利用をおすすめします。
雨漏り修理専門サービスは、全国に多くの加盟店を持っており、お住まいの近くにある最適な業者を複数紹介してもらえます。ぜひ下記の記事を参考にしてください。
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この記事を書いた人

【資格】一級建築施工管理技士
吹田市のリフォーム会社「加藤装飾株式会社」の工事担当 | 株式会社竹中工務店に新卒で入社。9年間施工管理業務に従事。その後、加藤装飾株式会社に入社。

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